REALbasicなユーザ様による R-USBシリーズ・製品モニタ・レポート
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京都市 A.T様
デジカメとR-USB-PIO8/8R(P)を用いた微速度撮影システム
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 | はじめに |
タイムラップスビデオというのがある、テレビの教育番組などで
植物の成長や花の開閉などを時間を縮めて見せるものである。
タイムラップスビデオは従来、専用のビデオレコーダーで撮影
されることが多かったが、専用品であり結構な値段がしていた。
ところが、最近発売されたデジカメの中にはタイムラップス撮影
(一定時間毎に撮影する)の機能が付いたものがあり、
私が使っているFujifilm Finpix S1Proもコンピューターからの
USB制御によってタイムラップス撮影が出来る。
そこで、このようにして撮影したタイムラップス画像から
タイムラップスビデオを作成することを試みた。
 | モニタ応募の動機 |
その場合、一番大きな問題は、照明などの制御である。
生物は光や温度の変化によって日周運動する。
タイムラップス撮影は、普通1分から1時間毎に一回
撮影を行うものであるが、そのために照明をつけっぱなしに
しておくと、光や温度の条件が変わってしまい、
撮影そのものが出来なくなってしまう。
そのため、撮影時にのみ照明を制御することが必要となる。
そのようなI/OボードとしてはPC/AT互換機のPCIボード用には
安価で良いものが出回っているが、
機動力が欲しい今回のような用途には
どうしてもノートパソコン出来ればMacで行いたい。
そう思っていて検索していたところR-USB-PIO8/8R(P)が
USB接続であり、使えそうだと思い今回モニタをすることにした
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微速度撮影システムの様子
顕微鏡の接眼レンズにデジカメをセット
制御用PCにはPowerBookを使用した
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 | 実験準備 |
ライトの制御については、R-USB-PIO8/8R(P)に内蔵されている
リレーの容量が不足しているため、100Vリレー(OMRON LY2)
を外付けにかませることで、容量を確保した。
REALbasicによるプログラムはUSB接続のため難しいかもと
当初思っていたのだが非常に簡単で、
2・3日でマスターすることが出来た。
 | 問題点発生 |
ところが、思ってもいなかった所でトラブルが起きてしまい、
その解決に1月近くかかってしまった。
それは、Fujifilm Finpix S1Proの制御プログラム
(CameraShootingSoftware)の問題で、このプログラムで
タイムラップス撮影(1分間)を行った場合、
1時間で5−6秒ぐらい撮影時間が短くなってきてしまい、
REALbasicによるプログラムと同期が取れなくなってきてしまう
Fujifilmとのやり取りの結果、
「Apple Scriptにて制御することは出来ません」
「インターバル撮影での時間がズレてしまうのは、製品仕様
となっておりますのでご了承ください。」
「残念ながらカメラ側のシャッターを電気的に制御する事も
出来ませんので・・・」とのことで、
常套手段では同期をとることが出来ないことが判明した。
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R-USB-PIO8/8R(P)へ配線の様子
ライト点灯には大電流が必要なため
外付けのリレーをかませている
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 | 解決策 |
そこで、色々調べている内に、OS9.21上のCameraShootingSoftwareが、撮影前後にカメラとUSBでやり取りしている間、
CameraShootingSoftwareに制御がいってしまい、REALbasicのタイマーが働かないことが判明した。
そこで、その問題を逆に利用して、時間のずれをタイマーが働かない時間から逆算する方法を開発した。
この方法を用いることで現在では、撮影前後にのみ数秒間照明を制御することが可能になった。
現在、このシステムで色々な撮影を試みつつある。
 | 製品に対する感想・要望 |
今回のシステムを作るに当たってR-USB-PIO8/8R(P)の使い勝手についてコメントしたい。
一般にマウスやI/O制御のようなハード周りのドライバは、システムとコンフリクトを起こしやすく、
結果的に使い勝手が非常に悪くなってしまうことが多いのだが、
添付されているREALbasicのドライバについては、私の環境では一切コンフリクトなどの障害が生じなかった。
また、REALbasicによるプログラムも非常に簡単で使いやすく、上記の両面から添付のドライバは優秀であった。
一方、今回の私たちのような用途から言えば、チャンネル数が少なくても、もう少し小型で、
大容量のリレーが内蔵されていて、ACアダプタも内蔵で、ケース付きの機種があった方が良いとも感じた。
しかし、現実的にUSB制御でMacノートパソコンから使える手頃な機種は本機種しかない事も事実であり、
その点で本機種は満点ではないにしても使えるものであった。
■らびっとはうすからのコメント
京都市のA.T様、微速度撮影システムに関する詳細なレポート、とても、興味深く拝見いたしました。
デジカメとの連動に相当ご苦労されたようで、最終的に撮影可能になったとの事、おめでとうございます。
また、「チャンネル数が少なくても大容量リレー」「ACアダプタも内蔵」「ケース付きの機種があった方が良い」
等の、貴重なご意見は、今後の製品作りに反映させていきたいと考えております。
製品モニタ・レポート、誠にありがとうございました。
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